思い出のドクターイエロー

家の目の前にあるイチョウの葉が黄色くなって、
そろそろ落ち葉の季節だなぁと感じるこの頃です。
何年か前は、11月中に全ての葉が落ちていたのですが、
ここ何年かは12月に入ってしまいます。
季節の感覚が変化しているような気がします。



黄色といえば、私Ogiにはなつかしい思い出があります。

実家が大田区の馬込にあり、家の東南方向に新幹線の鉄橋があります。
南西には、天気がいい日には富士山が、
家の中からは見えなかったけれど、外にでれば北には東京タワーの姿も見えました。
子供の頃、二階の窓やベランダから、新幹線が通る姿をよく眺めていました。

当時、いとこのカッチャンは神奈川県の戸塚に住んでいて、馬込の家に遊びに来るときは
新幹線に乗ってくるのだと、なぜが思い込んでいました（笑）。
カッチャンが帰ると、すぐに二階に行き、新幹線が鉄橋を通ると
「カッチャン、バイバーイ！　カッチャン、バイバーイ！！」
と妹弟と三人で、新幹線に向かって手を振っていました。
カッチャンがその新幹線に乗っていると信じていたんです（実際にはJR東海道本線）！

新幹線は、時にはスピードをおとしてゆっくり走っていたり、新幹線同士がすれ違ったり。
シチュエーションは多少ちがうことはあっても、
いつも見ているのは、白地に紺色のラインの新幹線。
それ以外の電車が走るのは見たことはありませんでした。

ところがある日、いつものように新幹線を眺めていたら、
いつもと違う光景が！！！
なんと黄色の新幹線が走っているではありませんか！
（いつもの白地の部分が黄色く、紺色のラインは同じ）
あっという間に過ぎ去っていきましたが、
妹弟三人で「黄色の新幹線だ！」と大騒ぎ。
すぐに、一階にいた母に「今、黄色い新幹線が走っていたよ！」と伝えたんですが
「そうなの？」と信じていない様子・・・。
学校で友達に話したりもしたのですが、みんな信じてくれない（笑）。
そして黄色い新幹線の話はしなくなりましたが、
大人になってある日、
新幹線の軌道などを検査する車両ドクターイエローをテレビで紹介しているのを見て、
「これだったんだ！」と、黄色い新幹線の正体をはじめて知りました。
今は夜間しか走っていないようですが、当時は昼間でも走っていたようです。

現在は、実家ごと引越しして馬込にありませんが、
南西に見えていた富士山は、高いマンションが建ち、姿が見えなくなり、
北の東京タワーは、高層ビルと並び、
新幹線は、丸い鼻（ゼロ系？）ではなくなりましたが、
晴れた日の青空の下に、丸い鼻の黄色い新幹線が鉄橋を走っていく姿は、
今になっても瞼に焼きついています。

黄色い新幹線を見たのはそれ一度きりです。

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